2022年12月24日クリスマスイヴ礼拝「脇役が主役」

聖書をお読みいたします。

聖書箇所は、ルカによる福音書2章8節〜14節。

新共同訳新約聖書103ページです。

2:8 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。

2:9 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。

2:10 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。

2:11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。

2:12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

2:13 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

2:14 「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」

「脇役が主役」と題して、村田悦牧師に、メッセージをしていただきます。

・やまあらしぼうやのクリスマス

クリスマスおめでとうございます。

今日はようこそ、大分教会のクリスマスイヴ礼拝にお越しくださいました。

心から歓迎いたします。

今日は、絵本を用いて、クリスマスの出来事を想い起こしてきましたが、

もう一冊、今日は皆さんに、ご紹介したい絵本があります。

「やまあらしぼうやのクリスマス」という絵本です。

(絵本は動画でご覧ください。)

「やまあらしぼうやのクリスマス」という絵本でしたが、皆さんは、どんなことをお感じになったでしょうか。

この絵本は、幼稚園の園長をしています私の父から紹介してもらった本なんですが、

この絵本を読んだ時、聖書朗読で読んでいただいた羊飼いの話が、浮かんできました。

私はこの二つの話が、とても似ているように感じました。

・除け者の羊飼い

どこが似ているかと言いますと、一つは、除け者が主役というところです。

絵本では、みんなから除け者にされていたやまあらしぼうやが主役でした。

それに対して、この聖書の箇所の主役は、羊飼いです。

実は、この羊飼いも、当時の社会の中では、除け者にされていました。

え?羊飼いが?なんで?って不思議に思う方もいるかもしれません。

羊飼いといえば、イエス様誕生の知らせを、一番最初に受けた人たちです。

クリスマスの物語には、欠かせない役の一つです。

絵本の中で、やまあらしぼうやも、やりたい役だって言っていました。

確かに、セリフもあるし、良い役のように思うかもしれませんが、でも、実は、みんなから、除け者にされていたんです。

なぜ、除け者にされていたか。

それは、彼らが、社会のルールを守れない人たちだったからです。

私たちが生きる社会にもたくさんのルールがあるように、イエス様の時代にもルールがありました。

「律法」って呼ばれたりしていますが、

みんな、その律法を守って、生きていました。

中でも、特に大事にされていたのが、安息日の律法でした。

安息日って、聞いたことがあるでしょうか。

安息日というのは、天地創造の場面で、神様が、最後に休まれた日のことです。

神様は、6日間でこの世界をつくられて、7日目にお休みになった。

そのお休みの日を安息日っていうんですが、

律法では、その日を覚えて、1週間のうちの1日、安息日には、誰も仕事をしてはいけないって決められていました。

だから、みんな、安息日には仕事をせず、会堂に集まって、神様を覚えて、礼拝をしていました。

でも、どうでしょうか。

羊飼いたちには、それができたでしょうか。

羊飼いというのは、文字通り、羊を飼うことが仕事です。

生き物相手ですから、安息日であろうと、休むことはできません。

夜通し番をしなければならなかったし、餌場を求めて移動しなければいけなかった。

だから、安息日を守りたくても、守れなかったんです。

仕事の性質上、しょうがなかったんです。

でも、当時の社会は、彼らを認めませんでした。

律法は絶対という考えの中で、羊飼いは、卑しい職業とみなされていきました。

強盗と同じように扱われていたとさえ、言われています。

それだけ、嫌われていたし、除け者にされていたんです。

その証拠に、彼らは、人口調査の対象からも、外れています。

イエス様がお生まれになった時、皇帝の命令で、大規模な人口調査が行われていました。

全領土の住民に、登録をせよと、命令が出たって書いています。

一部の人たちじゃなくて、全員。みんな登録しなさいって、言われた。

だから、マリアとヨセフも、故郷ベツレヘムに帰らなければならなかったのですが、

そんな時も、羊飼いたちは、野宿をしていました。

羊の群れの番をしていた。

つまり、調査の対象にも入ってなかったってことです。

全住民の中にも、入らない。

それほど、社会の外に置かれていたということです。

・天使の言葉

そんな羊飼いのもとに、天使が現れて言いました。

「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」

あなたがたのために、救い主がお生まれになった。

除け者にされていた羊飼い。

仲間はずれにされていた羊飼い。

人口調査も関係ない。

お祝いの時も関係ない。

いつも、関係ないと言われてきた、羊飼いたちに対して、天使は、「これは、あなた方のためだ」

「あなた方のために、救い主がお生まれになったんだ」と、伝えたのです。

さらに、天使は、賛美の歌の中で、

「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」

と歌いました。

「御心」っていうのは、神様の気持ちとか、神様の考えのことです。

だから、「御心に適う」っていうのは、神様の考えに合う人。

神様が気に入っている人のことです。

その言葉を、天使たちは、羊飼い達に向けて言ったということは、

つまり、羊飼いたちは、神様が気に入っている人たちだったということです。

こんなこと、当時の人たちが聞いたらどう思うでしょうか。

「えー!あんな羊飼いが!そんなはずがない!」

「安息日も守ってないし、礼拝もしてないし、臭いし、不潔だし、貧乏だし。」って、誰もが、そう思ったでしょう。

でも、そうやって、思われていた羊飼いたちに、確かに、天使は言ったんです。

「地には平和、御心に適う人にあれ。」

「あなた方は、御心に適う人だ」って、言ったんです。

神様は決して、あなた方のことを、悪くなんて思ってない。

むしろ神様は、誰よりも、あなた方のことを、大切に思っている。

私は、この天使の呼びかけが、絵本の中で登場した、やまあらしぼうやのお母さんの言葉と、とても重なって感じました。

やまあらしぼうやのお母さんは、繰り返し言っていました。

「ぼうやは おかあさんの こころのひかり」

「ぼうやは おかあさんの こころのひかり」

いつも、お母さんは、そう言い続けていました。

「自分なんて」って思って、自信を失った時も、

みんなから、仲間はずれにされた時も、

いつも、お母さんは、「ぼうやは おかあさんの こころのひかり」と、言い続けていました。

これこそ、まさに、クリスマスのメッセージそのものであると思います。

・枠の外に置かれた人たちのために

天使が語るように、クリスマスの喜びというのは、民全体のものです。

全ての人のために、イエス様は来られました。

クリスチャンであろうとなかろうと関係なく、全ての人の救いのために、イエス様は来られた。

その中でも特に、羊飼いや、やまあらしぼうやのような、外に置かれている人たち。

除け者にされている人たち。

そういう人たちのためにこそ、イエス様は来られました。

なぜかというと、それは、人間というのは、誰かに受け入れられないと、生きていけないからです。

誰かに、喜んでもらえないと、生きていけないからです。

やまあらしぼうやがそうだったように、私たちは、なかなか自分で、自分のことを肯定することができない。

すぐに自分なんてって思って、自信を失ってしまう。

人に馬鹿にされたり、笑われたりすれば、なおさらのこと。

ちょっとの拍子で、いなくなりたいとか、

自分なんか、いなくなった方がいいんじゃないかとか、

生きている意味なんてあるんだろうかって、わからなくなったり、不安になったりしてしまう。

きっとみなさんにも、そういうことがあるだろうと思います。

そんな私たちが生きていくために、自分を喜んでくれる人がいるっていうのは、とても大切なことです。

あなたは、素晴らしい。

私には、あなたが必要だ。

あなたは、私の心の光。

そう言ってくれる人がいるということが、どれだけ幸いなことか。

私なんか、しょっちゅう自信がなくなって、その度に息子のみつのところに行って、「みつ、お父さん好き?」って聞いてしまいます。

その度に、みつは「うん。」って言ってくれて、それだけで、私は頑張れます。

昨日も、このメッセージに自信が持てなくなって、「みつ、応援してくれる」って聞いたら、「ゆっくりやればいいよ」って言ってくれました。

その言葉に、どれだけ助けられているか、わかりません。

自分はダメだ。

自分なんて生きていてもしょうがない。

自分なんて、自分なんて。

そう思ってしまう人たちに、

「あなたは大切」「私はあなたを愛している」「あなたは私の心の光」そのことを伝えるために、イエス様は、きてくださったのです。

私たちの弱いところ、欠けているところ、汚いところを知った上で、それでも、あなたが大切だって、そう伝えるために、イエス様はきてくださったんです。

このことを、ぜひ覚えて欲しいと思います。

今日も、イエス様は言っておられます。

「あなたは、御心に適う人」

「あなたは 私の こころのひかり」

このメッセージを、今日、自分に語られている言葉として、心に留めたいと思います。

そして、同時に、私たちだけではない、今日この場に集うことができない人たち。

今も、働いておられる方々。

病と闘っておられる方々。

貧しさの中にある方々。

居場所のない方々。

戦争の只中に置かれている方々。

そういう一人一人に語られている言葉として、受け取っていきたいと思います。

そして、そういう方々と共に、喜び祝うことができる日を、祈り求めていきたいと思います。

お祈りいたします。

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