2024年11月24日主日礼拝メッセージ「主の山に備えあり」

聖書をお読みいたします。

聖書箇所は、ルカによる福音書22章7節〜13節。

新共同訳新約聖書153ページです。

22:7 過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。

22:8 イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。

22:9 二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、

22:10 イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、

22:11 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』

22:12 すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」

22:13 二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。

「主の山に備えあり」と題して、村田悦牧師に、メッセージをしていただきます。

・子どもメッセージ

今日は、みんなと一緒に覚えたい言葉があります。

それは、「主の山に備えあり」っていう言葉です。

みんなは、山に登ったことがありますか。

山登りの楽しみといえば、なんでしょうか。ー自然と触れ合えること。美味しい空気が吸えること。山頂で食べるお弁当。

いろんな楽しみがあると思いますが、中でもやっぱり楽しみなのは、山頂から見える景色だと思います。

良い景色が見たい。

そう思って、山に登る人が多いんじゃないでしょうか。

これは、大分の久住山から撮った写真だそうです。

すごい良い景色ですよね。

雲がすごく近く見えます。

頂上に着いたら、こんなすごい景色が見れると思ったら、どうでしょう。

頑張って登ってみようって、気持ちになるんじゃないでしょうか。

一方で、こんな天気の時は、どうでしょう。

霧がかかってて、景色も全然見えません。

もしも、登っている最中に、こんな天気になったとしたら、登りたいって思うでしょうか。

きっと、思えないと思います。

そもそも危ないですし、登っても、良い景色が見れないって思ったら、頑張って登ろうって気持ちにもなれないと思います。

そんなふうに、ゴールにあるものを、どう想像するかによって、私たちの気持ちっていうのは、全然変わってくるわけです。

頂上に着いたら、すごい景色が見れる。

そう思ったら、頑張って登ろうって気持ちになるでしょうし、

逆に、登ったって、どうせ良い景色なんて見れないって思ったら、帰りたいって気持ちになるでしょう。

これは、学校に行くのだってそうだと思います。

今日、好きな授業があるとか、好きな給食が出るとかって思ったら、行きたいって気持ちになると思いますが、

逆に、今日テストがあるとか、今日の給食、嫌いなものだって思ったら、行きたくないなって気持ちになると思います。

そんな私たちだからこそ、今日、覚えておきたいのが、「主の山に備えあり」っていう言葉です。

これは、神様が、私たちのために、良いものを用意してくださっているっていう意味の言葉です。

私たちの歩みの先に、私たちに必要なもの、私たちにとって良いものが、用意されている。

だから、信じて生きていきなさいって、神様は言っています。

信じて生きていってほしいと思います。

辛い時も、苦しい時も、私たちに必要なものを、神様はちゃんと用意してくださっている。

素敵なプレゼントを、神様は、用意してくださっている。

そうやって信じる気持ちが、私たちの生きる力になります。

信じて生きていきましょう。

お祈りします。

・備えの時を過ごす私たち

11月も最後の日曜日になりました。

いよいよ来週から12月に入ります。

そして、キリスト教の暦では、来週から、アドベントが始まります。

アドベントは、イエス・キリストの誕生をお祝いするクリスマスに向かって、待ち望みつつ備える期間です。

私たちの教会でも、すでに、様々な準備がすすめられています。

先週は、礼拝の後、クリスマスの飾り付けを行いました。

クリスマスに向けて、チラシ配りも行いました。

様々なプログラムの準備も進んでいます。

そんなふうにしながら、クリスマスに向かって私たちは歩んでいます。

同時に、この時期は、新しい年を迎えるための備えの時でもあります。

受験生にとっては、受験本番に備えて、緊張し始める時期でもあるでしょう。

そんなふうに、備えの時を過ごす私たちにとって、今日の箇所は、とても大事な箇所であると思います。

・祭りの準備をする弟子たち

今日の箇所には、イエス様の弟子たちが、過越祭の準備をする様子が記されています。

過越祭とは、ユダヤ教の三大祭りの一つで、イスラエルの民が、エジプトから解放されたことを記念するお祭りです。

その準備をするために、イエス様は、弟子のペトロとヨハネに、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われました。

これに対して、二人は「どこに用意したらよいでしょう」と言いました。

過越祭の期間中、エルサレムは、人で溢れていました。

この時期には、各地に散らばっているユダヤ人たちが、巡礼者として、エルサレムに集まってきていたからです。

そんな日に、過越の食事ができる場所を探すなんて、もう遅い。

どこに場所があるだろう。

弟子たちは、そんなふうに思っていたのかもしれません。

でも、そんな弟子たちに、イエス様は言われました。10節

22:10 イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、

22:11 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』

22:12 すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」

この言葉を聞いて、弟子たちは、どう思ったでしょうか。

なぜ、水がめを運んでいる男と出会うって、知ってるんだろうか。

家までついて行って、怒られないだろうか。

家の主人は、知っている人なんだろうか。

「食事をする部屋はどこか」って、そんな言い方で良いんだろうか。

なぜ、二階の広間に案内してくれるって、そんなことがわかるんだろうか。

弟子たちの頭の中は、きっと、はてなマークでいっぱいだったと思います。

でも、とりあえず、彼らは、行ってみることにしました。

すると、イエス様の言われた通りのことが起こったと、聖書には書いてあります。

水瓶を運んでいる男と出会い、ついて行くと、家の主人に会い、『先生が、「過越の食事をする部屋はどこか」と言っています。』そう言ったら、2階の広間に通された。

イエス様が言った通りの出会いと出来事が、目の前に起こって行ったわけです。

弟子たちは、さぞ驚いたことでしょう。

やっぱりイエス様は、ただもんじゃない。

あの人についていけば間違いない。

あの人の言うことは、実現するって、きっとそう思ったでしょう。

そういう出会いや出来事が待っている。

イエス様の言葉に従って行ってみると、そういう出会いや出来事を経験することができる。

聖書はそんなふうに教えているのだと思います。

「行ってみる」。

イエス様の言う通り、とりあえずやってみる。

最初は、弟子たちも、半信半疑だったと思います。

水瓶を運んでいる男と出会って、ついて行ったら、部屋に案内してもらえるなんて、そんなことあるだろうか。

そんな都合よく行くだろうか。

弟子たちは、きっとそう思っていたでしょう。

でも、とりあえず行ってみた。

そうしたら、本当にそうだった。

この経験は、行かなければできなかった経験です。

行ってみたからこそ、出会えたし、行ってみたからこそ、経験することができた。

とりあえず行ってみる。

何が待っているかはわからないけれど、とりあえずやってみる。

この姿勢の大切さを、聖書は私たちに語りかけているのではないでしょうか。

・備えてくださる神

先週、クリスマスのチラシ配りをしました。

町内を中心に、1000枚、クリスマスのチラシを配りました。

この辺は、マンションがいっぱいありますので、チラシ配りがしやすいんですが、でも、結構、「チラシお断り」って貼り紙のしてあるマンションもありまして、断念することもあります。

でも、今回は、諦めずに、管理人さんに、配って良いか、聞くようにしました。

そしたら、ほぼ全て、「どうぞ」と言ってもらうことができました。

前にダメって言われていたところも、なぜか今回は、「良いよ」と言ってもらえました。

一件だけ、断られたんですけど、その代わり、マンションの掲示板に貼ってくれるということで、チラシをお渡しすることができました。

あるマンションではですね、デカデカと、「チラシお断り」って書いてあったんですが、管理人さんに話してみると、「チラシ置いてってください。

入れて良いところと悪いところがあるので、後で、私入れておきますから」と言って、57枚、チラシを受け取ってくださった管理人さんもいました。

嬉しくなってですね、その管理人さんにも、「良ければ来てください」って、チラシを渡しましたら、「行けるかわからないけど、いっぱい集まったら良いですね」と、声をかけてくれました。

その時にですね、神様が備えてくださるって、こういうことなのかなって、そう感じました。

私たちの歩みに先立って、神様が働いてくださる。

神様が、備えていてくださる。

これは、礼拝メッセージの準備をする時、毎回、思うことでもあります。

牧師になって10年以上経ちますけれども、礼拝メッセージの準備をする時、毎回私は、頭を抱えています。

礼拝メッセージができるだろうか。

原稿が完成するだろうか。

毎週、不安になります。

いつも、まず最初に、聖書を黙想することから始めますが、この聖書の箇所から、何を話したら良いだろう。

話すことなんてあるだろうかって、毎回、そう思います。

月曜日は、まだ、希望があります。

日曜日まで、まだ、時間があるからですね、なんとかなるかなって思うんですが、火曜日、水曜日、木曜日・・・。

金曜日ぐらいになりますと焦り始めまして、土曜日の夜に絶望するなんて時も、多々あります。

そんな綱渡りのような歩みなんですが、でも、そんな時も、礼拝前には、原稿が整えられるという、

これが自分でも不思議なんですが、そういうことを毎週、経験しています。

自分の力で原稿を整えているようでいて、そうじゃないというかですね。

これもまた、神様が備えてくださるということだと思います。

・主の山に備えあり

そんなふうに、神様が備えてくださる。必要を満たしてくださる。

聖書は、そのように私たちに、語りかけています。

このことを信じることによって、私たちは、前に進む力を得ることができます。

自分の力だけでやらなきゃいけない、整えなきゃいけないと思うと、苦しくなりますし、できるかどうか不安になります。

でも、私たちの歩みに先に、すでに神様が用意してくださっているものがある。備えてくださっているものがある。

そう思うと、気持ちが楽になります。

説教の準備も、次はどんなメッセージが与えられるだろうかって、少しは前向きになることができますし、チラシ配りも、そうでした。

神様が先に行って、働いてくださってる、そう思うと、勇気が湧いてきました。

今日の説教題、「主の山に備えあり」という言葉は、そんなふうに、私たちの歩みに先立って、神様が備えていてくださるということを覚えるための合言葉です。

この言葉は、神様が、アブラハムの信仰を試すために、息子イサクを献げなさいと言われた、その場面で言われた言葉でした。

息子を献げるなんて、とんでもないことをさせるなと思いますが、アブラハムは、神様に言われた通り、山に登り、イサクを祭壇の上に載せました。

そして、いよいよ手を下そうとしたその時、御使いの声がするわけです。

「アブラハム、アブラハム、手を下してはいけない。あなたが神を畏れる者であることがわかった。」

その声に導かれながら、辺りを見回すと、木の茂みに一匹の雄羊が、とらわれているのを見つけます。

アブラハムは、息子の代わりに、その雄羊を祭壇で献げ、そしてその場所を、ヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名づけたわけです。

この場所こそ、後に、エルサレム神殿が建てられる場所でした。

人々は、神殿に登る時、この出来事を思い返しながら、ヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と、合言葉のように、使っていたそうです。

厳しい巡礼の旅路も、ヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と信じて、乗り越えて行ったのです。

私たちも、そのような者でありたいと思います。

クリスマスへの備えも、年末年始への備えも、このことを心に留めながら、のぞめたら良いなと思います。

確かに、私たちにはやらないといけないことがあります。

全部、神様がやってくれるわけではありません。

それに、最初に言いましたように、やってみないと、神様の備えにあずかることもできません。

弟子たちは、イエス様の言葉に従って、行ってみることを通して、備えてくださるイエス様の恵みに、あずかっていきました。

そのように、私たちには、私たちのやるべきことがあります。

チラシ配りをする、礼拝メッセージの準備をする、クリスマスの準備をする、受験勉強をする。

色々、すべきことが、あると思いますけれども、その時に、同時に、神様の備えがあるということを、忘れないでいたいと思うのです。

神様が用意してくださっているということを覚えつつ、そのことに向かっていくような、そんな気持ちでのぞんでいけたらいいなと思います。

先の見えない私たちですが、備えていてくださる神様を信じることが、私たちの歩みを前進させます。

今日も明日も、私たちの歩みの先には、神様の備えがある。

主の山に、備えあり。

そのことを合言葉にしながら、備えてくださる神様に向かって、共に、歩んでいきたいと思います。

お祈りします。

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