2022年12月4日メッセージ「天使の沈黙」

聖書をお読みいたします。

聖書箇所は、ルカによる福音書1章5節〜20節。

新共同訳新約聖書99ページ〜100ページです。

1:5 ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。

1:6 二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。

1:7 しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。

1:8 さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、

1:9 祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。

1:10 香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。

1:11 すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。

1:12 ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。

1:13 天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。

1:14 その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。

1:15 彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、

1:16 イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。

1:17 彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」

1:18 そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」

1:19 天使は答えた。「わたしはガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。 1:20 あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」

「天使の沈黙」と題して、村田悦牧師に、メッセージをしていただきます。

・子どもメッセージ

今日、みんなと一緒に覚えたいテーマは、「決めつけずに、言葉を聞く」ってことです。

今日の聖書の箇所には、ザカリアさんって人が出てきますが、

このザカリアさんに、ある日、天使が現れて言いました。

「ザカリアさん、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻は、男の子を産むだろう。

その子をヨハネと名付けなさい。」天使はそう語りかけました。

天使の言う通り、実は、ザカリアさん、子どもが与えられますようにって、ずっと祈っていました。

一生懸命祈っていました。

だから、「子どもが与えられる」って聞いた時、さぞ喜んだだろうって、そう思うと思うんですが、そうじゃなかったんです。

ザカリアさんは、その天使の言葉を、受け入れられませんでした。

どうしてか。遅すぎたからです。

実は、ザカリアさん、すでにこの時、おじいちゃんでした。

子どもを授かるには、歳がいきすぎていたんです。

ザカリアさん、思わず、天使に言いました。

「本当かどうか、どうやったら分かりますか?」

「こんな私に子どもが与えられるなんて、そんなのどうやって信じられますか?

あり得ないですよ。」って。

すると天使、どうしたでしょう。

なんと、ザカリアさんの口を閉ざしてしまったんです。

「喋るな。黙って、待ってなさい。」

そう言わんばかりに、天使は、話せなくしてしまったんです。

かなり強引だなって思いますが、でも、なんでそんなことをしたんでしょうか。

それは、きっと、説明しても無駄だったからだと思います。

この時のザカリアさんには、何を言っても無駄だった。

「神様には、こういう計画があって、こうこうこういう事情で、だから、こうなったんだ。」

どんなに丁寧に説明したとしても、「それなら、なんで、こうじゃなかったんですか。

どうして、もっと若い時に、子どもを与えてくれなかったんですか。」って、ザカリアさん、言ったと思います。

物事には、「その時」が、来なければ、分からないことがあります。

先日、私は、そのことを思い知りました。

このあいだの金曜日の朝、目が覚めて、携帯でニュースを見て、私びっくりしました。

「ワールドカップ日本代表、2-1で、スペインに勝利。決勝トーナメント進出。」って書いてました。

信じられませんでした。

テレビで、試合のハイライトを見るまで、信じられませんでした。

まさか、日本代表がスペインに勝つなんて、そんなこと思いもしませんでした。

私は、試合前から、スペインに日本が勝つなんて、あり得ないって思っていました。

だから、試合も見ずに、ぐっすり寝ていました。

朝の4時から、試合をやっていたようですが、ぐっすり寝ていました。

もし、天使が夢に現れて、「眠ってないで起きなさい。日本は、スペインに勝つよ。逆転するよ。」って、そう言われたとしても、多分私は、そのまま寝ていたと思います。

私は、試合の前から、絶対無理だって、決めつけていました。

絶対に勝てないって、決めつけていた。

でも、やってみないとわからない、本当にそう教えられました。

天使が、言いたかったことも、そういうことだと思います。

ザカリアさんは、歳をとりすぎたって言って、天使の言葉を受け入れようとしませんでした。

歳をとりすぎたから・・・、常識じゃあり得ないから・・・。

天使の言葉よりも、自分の考えの方が正しい、そう考えて、天使の言葉を聞かなかったんです。

だから天使は、口を閉ざしたんだと思います。

黙って待ってなさい。

時が来れば実現する。きっと、わかる時が来るからって。

私やザカリアさんのように、やる前から、だめだ、無理だ、って決めつけていたら、誰の言葉も、受け入れられなくなってしまいます。

自分の考えを、絶対にしない。

静まって、相手の言葉をちゃんと聞く。

何より、神様の言葉を、ちゃんと聞く。

今日は、そのことを覚えておきたいと思います。

お祈りします。

・決めつけることはないか

子どもメッセージでは、「決めつけずに、言葉を聞く」という話をしましたが、みなさんは、どうでしょうか。

決めつけや、思い込みで失敗してしまった経験は、ないでしょうか。

先ほどは、サッカーワールドカップの日本対スペイン戦の話をしましたけれども、

実は、私、その2戦前のドイツ戦でも、似たようなことをしておりまして、

ご存知のように、ドイツ戦も、日本は最初、負けておりました。

ドイツに先制されまして、前半終わって1対0でした。

正直、私は、もう無理だと思っておりました。

雰囲気的にも、圧倒的にドイツの方がまさっていましたし、とても逆転できるとは、思いませんでした。

それで、一緒に見ていた息子の初に、「もう寝たら」と、すすめてしまったわけです。

すごくですね、眠そうだったんです。

いつもは8時半ぐらいに寝ているのに、ドイツ戦は、夜の10時からでした。

どうしても見たいっていうので、一緒に見ていたんですが、

前半終わった頃には、11時ぐらいになっておりまして、初も、眠い目を擦っておりました。

次の日も学校がありますし、何より、このまま見続けても、どうせ勝てないだろうと、そう思って、「もう寝たら」というふうに、すすめてしまったんです。

まさか、後半に逆転するなんて、思ってもいませんでした。

私は、一人、興奮しながら、テレビの前で見ておりまして、本当に感動したんですけれども、

息子には、申し訳なかったなと思いました。

それで、今度こそはと思って、第二戦のコスタリカ戦を、息子と一緒に見ました。

コスタリカ戦は、夜の7時からでしたので、時間的にも、ちょうどよかったですし、

それに、何より、コスタリカ戦は、「絶対に勝つ」と、そう思っていました。

「ドイツに勝ったんだから、コスタリカには、負けるはずがない」と、そう思い込んでいました。ここでも思い込んでいたわけです。

前半は、思った通り、日本ペースで試合が進んでいきました。

惜しくも、前半は0対0で終わりましたけれども、いつ点が入ってもおかしくない。

この試合は勝てると、そう思っていました。

そして後半がはじまりました。

私は、絶対に勝てると、そう思ってみていましたが、

でも、なかなか得点が入らないんです。

コスタリカの守備もかたくてですね、なかなか攻めきれない時間が続きました。

あれ?大丈夫か?と思いながら見ていたら、後半36分、まさかの先制点を決められまして、そのまま敗退ということでした。

今度は、ドイツ戦と反対で、「絶対に勝てる」とそう思い込んでいましたので、もうかなりショックで、

天国から地獄っていうのは、まさにこのことだと、そう思うくらいテンションが落ちてしまいました。

それで、「目を覚まそう」と、ドイツ戦はやっぱり奇跡だったんだと、そう思ってしまったんです。

その時点で、正直、私のワールドカップは終わっていました。

もうよく頑張ったと、ドイツに勝てただけで、もう十分だと、

そんな気持ちになっておりました。

それで、3戦目のスペイン戦でしたので、もう、見なくていいかなと。

スペイン戦は、朝4時からでしたから、早起きしてまで、見ても、さすがに勝てないだろうと、そう決めつけてしまったわけです。

「決めつける」ということが、いかに、恐ろしいことかを、教えられた数日間でありました。

良くも悪くも、決めつけるということは良くない。

ザカリアの場合は、先に口を閉ざされてしまいましたけれども、

私の場合は、スペイン戦の結果を知った時に、何も言えなくなってしまいました。

そんな私にとって、今日のこのザカリアの話というのは、自分のことのように思うわけです。

きっと、みなさんの中にも、あると思います。

決めつけや、思い込みによって、失敗してしまったという経験。

お持ちの方、少なくないと思います。

・なぜ、決めつけるのか

でもなぜ、人は、思い込んだり、決めつけたりしてしまうのでしょうか。

なんで、結果が出ていないのに、勝手に結論を出してしまうのでしょうか。

ザカリアの場合は、どうだったでしょうか。

18節で、彼はこう言っています。

そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。

わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」

この言葉によると、年齢がネックになっていたということがわかります。

「わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」

だから、子どもが生まれるなんて、そんなのあり得ない、ということです。

当時の常識だったのか、あるいは、彼の考えだったのかというのは、わかりませんが、

ザカリアの中には、子どもを期待できる年齢というのは、ここからここまでというのが、あったんでしょう。

その限界点を、すでに超えてしまっていた。

この時、ザカリアとエリサベトが何歳だったかということは、わかりません。

何も記されていませんけれども、少なくとも、ザカリアは、年齢的に、もう無理だと、そう思い込んでいたわけです。

そこに至るまでには、長く厳しい時間を、きっと過ごしてきたんだと思います。

当時、子どもが与えられるというのは、神様の祝福だと考えられていました。

でもそれは、子どもがいない夫婦にとっては、辛いことでもありました。

何か自分達に問題があるんだろうか。自らを責めたこともあったかもしれない。

夫婦同士、揉めたこともあったかもしれない。

周りの人から、偏見の目で見られたということも、あったかもしれない。

そんな中、彼らは、待ち続けたわけです。

でも、与えられなかった。

この経験、あるいは、年齢的な限界という考えが、ザカリアの心を頑なにしたのだと思います。

これまで積み上げてきた経験と知識、情報。

それが、思い込みや決めつけの原因となるということです。

私もそうでした。

私も、ドイツには勝てない、スペインには勝てないと、そう思い込んだのは、前情報があったからでした。

そもそもドイツやスペインは、サッカーの名門。

毎回のようにワールドカップも出ていますし、優勝もしています。

今回も、いろんな番組で、ドイツやスペインがどれだけ強いかっていうことをやっていまして、私は、それを見ていました。

世界ランクも、日本より上。

日本が24位なのに対して、ドイツは11位、スペインは7位でした。

何より、多くのサッカー解説者が、「引き分けでいい」とか、「死のグループだ」とか言っていましたので、その影響を多分に受けていたと思います。

そういう情報から、わかったつもりになってしまった。

そこに、大きな問題があったように思います。

自分はわかっている。よく知っている。

この想いが、思い込みや決めつけへと、私たちを導いていくのです。

・心を開いて

天使は、そんな私たちの口をふさぎます。

私たちの口から出てくる、知識や経験、自分の考えを、塞ぎます。

「あなたの考えは絶対か、あなたの知識は絶対か」そう問いかけてきます。

そして、「自分の言葉を言うだけでなく、まず、神の言葉を聞きなさい。」そう語りかけるのです。

「自分の考えに立って、勝手に結論を下すのではなく、よく聞きなさい。

そして、待ち望みなさい。」と、語りかけているのです。

自分の経験や知識に対して、謙遜であることを求めましょう。

どんな知恵や知識も、経験も、人間のものである限り、絶対ではありません。

神の前に、全ての人は、赦されなければ生きていけない罪人です。

誤りや欠けの多い罪人です。

そのことを、今一度、心に留めましょう。

そして、何より、御言葉に対して、心を開いていたいと思います。

決めつけや思い込みに囚われず、神の言葉を信じる者となっていきましょう。

お祈りします。

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